美術

池田亮司「data.gram」(TARONASU)

会場:TARONASU(入場無料) 東京都現代美術館での個展「the infinite between 0 and 1」(2009)を見たことがあり、その時に味わった独特な感覚がいまでも記憶に残っている。同展では音と光によって包まれた空間そのものが放っているアウラのようなものに身を…

李禹煥(国立新美術館)

国立新美術館開館15周年記念 李禹煥 Lee Ufan 2022年8月10日〜11月7日(国立新美術館) 2022年12月13日〜2023年2月12日(兵庫県立美術館) 展覧会図録に収められている李自身の文章「見ることの身体的陽性」の中に、次のようなエピソードが紹介されている。 …

木原千裕「Wonderful Circuit」

作家や展示内容についてよく知らず、チラシのメインビジュアルである写真に引き付けられて足を運んでみると、その写真の地(チベット高原のカイラス山)を作家が訪れることになった「物語」があり、それこそが今回の展示を駆動していることを知る。 「木原千…

安藤瑠美「TOKYO NUDE」

写真に対する個人的な興味関心は、人物よりも風景、自然よりも都市空間にある。となれば、このような写真に吸い寄せられるのは必然。レタッチという“加工”が施されたことによって生まれるフラットな感触は、エドワード・ホッパーの絵画を思わせたりもする。 …

ボテロ展 ふくよかな魔法(Bunkamura ザ・ミュージアム)

「ボテロ展 ふくよかな魔法」 会場:Bunkamura ザ・ミュージアム 期間:4月29日〜7月3日 複製技術に拠って立つ映画の場合、何を(何処で)見れば「本物を見た」ことになるのかが難しいが、絵画や彫刻などの美術作品であればそれが明白である故に、体験そのも…

光陰礼賛——モネからはじまる住友洋画コレクション(泉屋博古館東京)

住友コレクションの一角を占める近代洋画は、住友吉左衞門友純(春翠)が明治30年(1897)の欧米視察中のパリで印象派の画家モネの油彩画2点を入手した事に始まりますが、その一方で同時代のジャン=ポール・ローランスなどフランス・アカデミーの古典派絵…

篠田桃紅展(東京オペラシティ アートギャラリー)

昨年3月、107歳で逝去した篠田桃紅の「長きにわたる活動の全貌を紹介するとともに、その広い射程と現代性を今日的な視座から検証する」展覧会が、東京オペラシティ アートギャラリーで6月22日水曜まで開催している。 彼女の名を私は「桃江」だと思い込んでい…