2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『パリ13区』ジャック・オディアール

『パリ13区』(2021) 監督:ジャック・オディアール(Jacques Audiard) 原題:Les Olympiades, Paris 13e 映画監督には、年を重ねるほどに軽やかになってゆくという現象が多く見受けられる気がする。私が好きな監督が特にそうだからなのかもしれないが、ア…

『異常[アノマリー]』エルヴェ・ル・テリエ

『異常[アノマリー]』エルヴェ・ル・テリエ(加藤かおり訳、早川書房、2022) 2020年夏にフランスで刊行され、同年度のゴンクール賞にも輝いた本作。2021年12月の時点で110万部を突破しており、ゴンクール賞受賞作で100万部突破は『愛人[ラマン]』(マグ…

『映画はいつも「眺めのいい部屋」  政治学者のシネマ・エッセイ』村田晃嗣

『映画はいつも「眺めのいい部屋」 政治学者のシネマ・エッセイ』村田晃嗣 (ミネルヴァ書房、2022) 本書のカバー袖にある紹介文は以下の通り。 「映画をあまり見ていない読者に向けて、政治との関わりを手掛かりに映画の楽しさと奥深さを伝える。新旧の映…

美は語る 激動のウクライナ

TV

日曜美術館(Eテレ)2022年4月17日放送 出演者:小野正嗣、柴田祐規子、 鴻野わか菜(早稲田大学教授)、青柳正規(東京大学名誉教授) NHKのアーカイヴからウクライナの美術に関する映像が紹介されていく。 ウクライナに住む人々のルーツは、スキタイと…

『スウェット(2020)』

映画『スウェット』(2020) 監督:マグヌス・フォン・ホーン(Magnus von Horn) 原題:SWEAT スウェーデン映画祭2016で『波紋』が上映されたマグヌス・フォン・ホーン監督の長編2作目。「カンヌ2020」に選出され、2020年の東京国際映画祭でも上映された(…

『その他の外国文学』の翻訳者

「『その他の外国文学』の翻訳者」白水社編集部(白水社、2022) 「その他」という言葉は、必ず主たる何かを意識させる響きであるゆえに、どこか疎外感をおぼえもする。しかし、それは必ずしも単なる支流でもなければ、ましてや主流にふりまわされる傍流だと…